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小売の寡占化とリテールメディアが描くエリアマーケティングの未来

2025.09.03

(株)SalesPlusはリテールメディアの扱い、および複数の小売企業のリテールメディアを横断的に活用したエリアプロモーションに強みを持っています。
今回は、地方から進む小売の寡占化とリテールメディアとエリアマーケティングの展望について解説します。

地方から進む小売の寡占化と構造変化

 日本各地で小売業界の地殻変動が起きています。近年、有力小売企業が地域ごとに台頭し、寡占状態が進行。
九州ではトライアルカンパニー(以下トライアル)、イオン九州、コスモス薬品の3社のみが売上高3,000億円を超え、大きな影響力を持っています。(※売上高の出典:2023年12月4日付け食品新聞より)
こうした寡占構造は、メーカーや卸売業にとって「販路の集中と選択」という新たな機会とリスクを生み出します。すなわち、地域ごとの小売企業の販売戦略がそのまま自社の売上に直結する時代への突入です。

上段:各エリアの主な小売企業 ※SalesPlus調べ
下段:九州エリアの主要小売企業の売上高:2023年12月4日付け食品新聞より

リテールメディアとは何か:店頭が“広告媒体”になる時代

 こうした背景のもと注目を集めているのが、「リテールメディア」の活用です。これは、小売の店舗やデジタル接点(アプリ、店頭サイネージ、レジカートなど)を“メディア化”し、広告として活用するマーケティング手法のことです。
例えばトライアルは、スマートショッピングカートやサイネージ、アプリ、レシートクーポンなど多様な接点を通じて、消費者に情報を届けています。これらは単なる店内広告ではなく、「来店・購買という消費行動の直前(購買近接点)」における極めて高いコンバージョンが見込まれる販促施策として機能しています。
さらに、消費者の購買履歴や行動履歴に基づいて広告配信が可能なため、Google広告やAmazon広告に匹敵する高精度のパーソナライズド広告が可能となり、これは「リアル店舗版Google広告」とも言える存在です。

九州で始まるマーケティングの未来:リテールメディアの実装最前線

 トライアルは売上高としての影響力を誇るだけでなく、リテールメディアの実装も先進的です。例えば、レジ機能付きショッピングカートは、レジ待ち時間の短縮だけでなく、買い回り中の最適なタイミングでの広告表示やクーポン配信を実現します。また、サイネージの大型化や多機能化も見逃すことができない進化です。

トライアルの多機能カート「スキップカート」
レジ機能やクーポン配信機能などを実装

メーカー(広告主)に求められる発想の転換

 当社、SalesPlusは小売企業と広告主の共創を推進し、「売場を起点としたエリアマーケティング」の実績をつみあげることで、従来のマスマーケティングからの転換を業界全体に促しています。このような状況において、メーカー(広告主)が検討しうる打ち手は次のようなものが挙げられます。

1.全国一律からエリア別戦略へ
消費者の購買行動や嗜好性は地域ごとに差異があるため、各エリアの人々と購買チャネルの特性を理解し、ローカル最適化された広告・販促展開を試みる必要があります。

2.「メディア」だけでなく「購買接点」も見る
テレビやWebだけでなく、実店舗や小売アプリも消費者に近いメディアとなっています。広告主は小売企業のメディアとしての側面を理解し、広告費の配分の再検討を行う必要があります。

3.広告効果の可視化
リテールメディアは購買データを通じて施策の効果を数値で検証できます。
新規顧客の獲得から育成までの広告・販促効果を可視化し、コストのムダ・ムラ・ムリを解消しましょう。

小売の寡占は「新たな広告インフラ」の誕生を意味する

 日本各地で進行する小売の寡占化は、消費者の行動を握る小売企業が明確化されたことを意味します。これら小売企業は自らが広告インフラのハブとなり、メーカーと共に消費者への価値提案を行うプラットフォームへと進化しています。
リテールメディアとは単なる販促手法ではなく、「消費者に近い購入の最前線でマーケティングを再構築する手段」です。
メーカー(広告主)は今後の広告メディアのあり方を見据え、リテールメディアの可能性を積極的に検証することが求められていると言えるでしょう。

視認性の高い連続設置された店内サイネージ

SalesPlusは、各地域のエリアマーケティングやリテールメディア展開に強みを持っています。
エリアごとの小売企業とメーカー様とを繋ぎ売上伸長を実現します。
リテールメディアを絡めたエリアマーケティングをご検討の際は、ぜひ当社にご相談ください。